2009年よりNY在住で、共にファッション業界に身を置くロン毛(Wataru Shimosato)と坊主(Ryo Miyamoto)が綴るブログです。

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ゲストエディター

服好きな皆さん、貴方はマルジェラの4つ糸を切れますか?

服好きな皆さん、貴方はマルジェラの4つ糸を切れますか?

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こんにちは、「ロン毛と坊主とニューヨーク(@longebose)」のロン毛、下里(@watarubob)です。

 

さて今回はタイトルからもわかる通り服の話です。

私はちょくちょくBoris Bidjan Saberi(以下BBS)というブランドの服を着ます。

このような服を普段から着る方はご存知だと思いますが、BBSの服には全て後ろ側に紐のタグがブランドの象徴として付いています。

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ご存知の方にはお馴染みの、トップスならば肩下あたり、ボトムスならば後ろのベルトループ下ポケットの上あたりにあるアレです。

 

私はボトムスは持っていませんが、トップスは4つほど持っていてそのどれを着るにもずっと気になっていた事がありました。

ツイートにもある通り、紐タグが髪に絡まって邪魔で仕方ないんですね。

 

邪魔なら切れば良いじゃん、と思ったそこの貴方。

大正解。

本来ならば邪魔ならタグなんて切れば良い、シンプルで簡単な話です。

 

で、結果として所持している全てのBBSのタグを切りました。

 

という訳で前置きが長くなりましたが、今回はこのタグを着るという一見するとめちゃくちゃ単純な行為について。

ただその単純な行為も、ブランドの服だったり、さらにファッション好きな人にとってはハードルが高いものだよな、と思った話をします。

私はブランドを特定出来るような分かりやすいプリントや柄、ロゴの入った服は基本的に好まず、所有するほとんどの服が無地の物だったりするのですが、それは私の中で派手なものを好まないという単純な理由と、「わざわざ分かりやすくブランドを主張して自己啓示欲を満たすような事をせず、純粋に好きな服を着たら良いじゃないか」という考えが常にあるからでもあります。

さて、私はそんなどこのブランドなのかパッと見て分かりにくい無地の服ばかり所持して着ているのにも関わらず、BBSの服には一瞬でBBSと分かるタグが背中に付いています。

もちろんBBSを知らない人からしたら何のこっちゃという話ですが、BBSがどんなブランドか知っている人が見たらそのタグは分かりやすいブランドロゴと同様の機能を果たすくらい主張の強いものです。

 

もう少し話を分かりやすくするために他のブランドで置き換えてみると、マルジェラの4つ糸が分かりやすいかと思います。

例え無地の服でデザインも限りなく普遍的な服であったとしても、マルジェラを知っている人が首の後ろに4つのホワイトスティッチを見たら「あ、めちゃくちゃ普通の服っぽいけど、これマルジェラなんだ。」と思うでしょう。

 

で、今回、私がBBSのタグを切ってみて思ったことはこれです。

いかんせんBBSやマルジェラなどのブランドの服は高額ですから、タグを切ってわざわざそれを周囲の服と同化させてただの衣服としてしか見られなくしてしまうのはコスパが悪い、などというクダラナイ考えが浮かんだりする訳です。

ただそんな話は完全に外部からの視点を気にしている事を前提とした話であり、本来はそれがマルジェラであるというのはタグがあっても無くても自分で分かり切っている事で、タグではなく服自体にに惚れ込んで手に入れたはずなのに。

 

そんなことは頭で分かっているつもりでしたが、実際私もタグを切る前には若干躊躇したんですよね。

自分ではロゴやプリントは分かりやすくて着ないなんて思っていたのに、心の奥底では同士にだけは気付かれたいみたいな欲があったんでしょう。

 

BBSのタグを切ってしまったら、見た目はただの衣服としてしか(周りの人からは)見られなくなってしまう。

ブランドイメージに頼らず真っ向から自分のスタイルのみで対話するというのは何の装備も無く裸一貫で戦っているようなもの、それは普段からブランドを着ている人からすると結構勇気がいる行為で、私が全ての武装を自ら剥ぐのを躊躇したのもつまりはビビったということですね。

スタイルというのはその人の人となり、性格、考え方、大袈裟に言えば人生観まで映し出てしまうもので、それを引っくるめてセンスと呼ぶのかもしれません。

だからこそそれを躊躇せずに自然体でやっている人というのは、自分のスタイルで勝負していて唯一無二のかっこよさがあるんだろうなと思います。

 

ちなみにこの話で勘違いして欲しく無いのは、BBSやマルジェラのタグを切れとか、切った方がカッコいいとかそいういう話ではないということ。

服が好きでファッションは自己満足です!という考えの方は多いと思いますが、ではそんな貴方は自分の所持しているマルジェラの糸を切れるか?というのを考えてみると面白いかもしれないですね、という例え話です。

自分で所持しているものは糸があってもなくてもマルジェラなことは認識済みなので、ファッションを自己満足だけで消化出来るなら本来は糸なんて躊躇なく切れるはずだったよね、だってタグを買っているわけではないもんね、という再確認というか。

 

もちろんBBSの紐タグにもマルジェラの4つ糸にもタグ以外にもデザインとしての要素もあるにはあると思いますし、そもそも特に切る必要はないので大切な服を丁寧に扱う意味でも普通はそのまま残しておいたらいいものです。

私も別に髪がタグに絡まらずに邪魔ではなければわざわざ切ることはしなかったですし。

ただ今回私はタグを切ってみる機会ができたことで、それを機に色々と思うことがあったので残しておきました。

 

いざタグを切ってみると「あぁこれが自分が本来求めていた服に対する姿勢だったんだ」と感じてスッキリした感はかなりあります、面白いですね。

今までもブランドや有名無名も関係なく好きなものを着ればいいと思ってはいましたが、自分の中でBBSの服をブランドではなく衣服として扱うことが出来るようになった今、改めてこれからはどんな服でも100%純粋に自己満足として消化して楽しめる気がしています。

タグがあろうがなかろうが、ロゴやプリントが入っていようが、有名だろうが無名だろうが他人を気にせずに自分では服を楽しむ、それこそが私の理想とする贅沢な服との向き合い方であり、本質だと思いました。

 

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