2009年よりNY在住で、共にファッション業界に身を置くロン毛(Wataru Shimosato)と坊主(Ryo Miyamoto)が綴るブログです。

海外生活を通して培ってきた考え方、仕事論、ファッションネタ、NY観光情報など雑多に更新中。

ブルックリンでゲストハウス、またオンラインブティックNo.648を運営しています。

「ファッションはオワコンか?」という業界紙WWDの記事が既に色んな意味でオワコンだと思う

「ファッションはオワコンか?」という業界紙WWDの記事が既に色んな意味でオワコンだと思う

 

 

 

 

最近ファッション業界紙WWDにて「ファッションはオワコンか?」という記事が出ていたというハナシをロン毛から聞きました。

 

キャッチーで、スゴいタイトルやなーと思いましたので、

国は違えど、一応ファッション業界にいるので、私個人の見解を少し長いですが、3つの項目に分けて書いてみました。

 

1. 制約が多い企業より、自由に動ける個人の影響力の方が強くなってきた

2. 従来の情報垂れ流しスタイルでは宣伝効果は生まれないし、売れない。

3. というか、そもそもファッション業界の、どの分野、どのジャンルがオワコンなのか?

1: 制約が多い企業より、自由に動ける個人の影響力の方が強くなってきた

「実際、オワコンなのかな~」と思い、軽く調べてみると、幾つか記事が出てきましたので、ザっと目を通してみました。

「WWD ファッション オワコン」で検索すると、Ryogoku Sakuraさんという方の個人のサイトが最初に出てきました。で、2番目が記事元のWWDのサイトです。

 

私からしたら、このGOOGLEの検索結果が結構、「ファッションはオワコンか」という芯をついているんじゃないかと思います。

 

検索結果で、個人のサイトが企業のサイトに勝ってます。

 

しかも人々が一番見る検索結果1位のRyogoku Sakuraさんの記事が…

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タイトル:がっかりなWWDジャパンの特集「ファッションは本当にオワコンか?」

専門誌WWDジャパンさんの先週号(1月9日号)の特集

「ファッションは本当にオワコンか?」が、

ちょっと残念な感じの内容でしたね。

多様な方法での検証がなく、インタビュー記事のみの構成で、それも一部は別目的で行ったインタビューの内容を使い回ししておられるのではないか、という風に見えました。

いつもは手間暇を掛けた良質な記事が多い媒体さんだと思って読ませて頂いているんですが。こんな特集を掲載している媒体の方がオワコンって言われないように、頑張ってチョ!

 

これだけです。

「ファッションは終わりか?」という、かなりヘビーな話題に関する検索結果1位のページがこれです。

 

正直もっと活発な議論や、記事があると予測していましたが、全然そうではありませんでした。

そして、検索結果2番目に出てくる記事元のWWD。

ページをクリックすると、ざっくりとした記事の概要のみで、本文の方は、「定期購読を申し込む」か、「この号を購入」しないと見れないようになっておりました。

……。

まぁ、業界紙なので「記事本文の方はお金払って買って読んでちょ。」という気持ちは分かるんですが、

業界人からインタビュー取りっぱなし、記事書きっぱなしで放置するよりは、

今回の記事に関しては、全文無料公開して、消費者側のフィードバックをもらって、

この大事な問題を少しでも解決する方向にできなかったのかな~?と思いました。

 

この記事だけでも全文無料公開すれば、ファッションに興味のある沢山の方達に読んでもらえて、

読んだ感想をTwitterで呟く、個人ブログでガッツリ自分の意見を書くなどしてもらって、拡散してもらえれば、

業界人のインタビューに加えて、貴重なお客さん側からの意見を沢山貰えたのではないか?と思います。

 

一人一人が呟くことは一言二言、ブログでも短文かもしれませんが、これを集めると消費者、しかもファッション好きの人達代表の巨大な意見の塊となったでしょうに。

 

というか、昨今の新聞や紙の媒体が売れなくて、様々な媒体が休刊している状況で、この記事を読む為に、何人の人達が業界紙WWDを実際に購入するでしょうか?

今どき誰が紙の雑誌なんか買うのか?noteの可能性と若者の消費傾向について」参照

皆無でしょう。特に若い人達は。

WWDの存在を知っているファッション系の学校に行っている人達でも購入まで至る人は少ないんじゃないでしょうか。

 

定期購読させるビジネスを成立させないといけない業界紙WWDに対して、自由に情報の発信ができる個人ブログがGOOGLEの検索結果で上位にきた、ということは、無視できないことだと思います。

 


2.従来の情報垂れ流しスタイルでは宣伝効果は生まれないし、売れない。

「ファッションはオワコンか?」というトピックについての私の意見ですが、

従来のファッション業界のシステムはもう大分昔からオワコンだと思っています。

もう消費者は、雑誌に広告を載せたり、販売を促進させる為の広告は通用しません。ていうか見もしません。

情報垂れ流しの一方通行ではダメだと思います。

ブランド、流行りモノなどのファッションの情報収集は、SNSとウェブ検索で無料で可能な時代です。しかも、誰をフォローするか、何をフォローするか、で自分の思い通りに目に入る情報の編集が可能です。

誰をフォローしているか、誰と繋がっているか、誰からイイネ!を貰い、何をシェアするのか、が今の若者の自己表現のひとつであると思います。

 

今、彼らに大事なのは、企業やブランドではなく、「誰」と繋がっているかです。

会社ではなく、個人との繋がりです。

企業の人達でも、個人的にインスタグラムをほぼ活用していないお偉方の人達が、「これからはSNSだ!」と浅い情報を頼りに、SNSを宣伝手段のひとつとして使用し、商品紹介などを、インスタグラムに載せているかと思いますが、それでは、昔、雑誌でやっていたことと何ら変わりはありません。

 

企業やブランドのインスタグラムってクソつまんないですよね。宣伝ばっかで。

画像は綺麗ですけど。

 

知名度自体はあり、ライクの数は多いけれども、僅かながら書かれるコメントは十中八九フォロワーを増やしたい人達の自動コメントなのが現状です。

宣伝ばっかりでは、消費者とは実際には繋がれていないんです。

 

それに比べて、個人のSNSというのは、ファッションだけではなく、公開されている彼らの人生全てを見ることができ、入ってくる情報に対してコメントをすれば、憧れの人達から返事がくることもあり、何らかのコミュニケーションが成立するんです。

 

SNS内で誕生したコミュニティでの、人々の交流、対話、繋がりが現実世界に反映してくるんです。

フォローしている、もしくはフォローしあっている人達と交流する為に、例えば、紹介されているコーヒー屋に行ってみたり、アウトドア用品を買って実際にキャンプに行ってみたり、その為に防水のジャケットを買ってみたりする訳です。

 

繋がって消費が初めて生まれるんです。

 

その後、購入したモノやサービスを使って、今何をしているかを自分でSNSを使って発信して、他人と交流します。

 

先ほど述べたように、自己表現のひとつです。自己をアウトプットし、そして他の人達から更にインプットを貰います。

 

また現実世界に戻りますが、その内SNSで繋がっている人達の元へ帰っていきます。

 

ブランドや企業で宣伝するのであれば、会社が直接動いて発信するのではなく、特定の個人を使って、不特定多数の個人とコミュニケーションをとって、間接的にブランドと消費者の関係性を築くのも一つの良い手なのではないか?と私は思います。

 

まぁ、企業側は、とっくに気付いていて、もう実行していると思いますが、

ここで、影響力のある個人を使う際に、提供する商品の見せ方に対して「アレはダメ、コレはNG」なんて規制をかけちゃうと最悪だと思います。それだとリアルじゃないんです。フォロワーは一発で見抜きます。そこは信頼して自由にやらせるべきです。フォロワーをナメてはいけません。

 


3. というか、そもそもファッション業界の、どの分野、どのジャンルがオワコンなのか?

どれだけ売り上げが落ちているのかは記事自体が見れないので、何のこっちゃ分かりませんが、

こちらアメリカでは、今年、有名百貨店Macy'sが全米で100店舗閉店するようですし、

安い価格帯のSearsとK-Martも50店舗以上、閉鎖されるようです。

その主な理由として、ECサイト、オンラインショッピングの普及があります。

まぁ、アメリカ国内で言えば納得する結果です。

接客が最悪な路面店に行くより、オンラインで購入した方が遥かに楽です。

 

しかし、接客が神レベルな日本の百貨店とかでは、接客で客が遠のくなんてことはないでしょうが、

もしかしたら接客は最高でも、やはりマニュアル通りで、何かお客さんとの特別な関係性とかは築きにくいんじゃないのかなーと思います。

多分規則がしっかりしているので、業務中SNS厳禁とか、NG項目多そうですもんね。

 

データが無いので、ハッキリ言えませんが、ECサイトが併設している小さいブティックなんかは上手く利益が出ているお店もあるんじゃないかなーと思っています。

 

イイ感じのECサイトは自分で頑張れば作れる時代です。

私達のNo.648のサイトもロン毛が作っちゃいましたしね。決して簡単ではないと思いますが…

【新企画!】ブルックリン発ライフスタイル提案プロジェクト"No.648"始動しました!」参照

ブログを含むSNSを上手く使えば、大手よりよっぽど濃い関係性が、

お客さんと築けるのではないかなーと思います。

どんどん親密になって、一緒にイベント行ったり、メシ行ったり、飲みにいってもいいと思います。

気兼ねせずに。

昔は、私はお客さんと電話番号を交換することに、気が引けていて、Eメールで交流していましたが、

最近はバンバン電話番号交換して、こまめに連絡をとって商品も売っています。

何でもっと早くやらなかったんだろうと思っています。

Eメールより、LINEやSNSで連絡とった方が絶対ハナシの流れも速いです。親近感があって、繋がっている感じがあります。

 

普通人間の私でも、こんな感じでできるんだから、カリスマ性や影響力のある店員さんだったら、

個人で一大ムーブメントを起こせると思います。

 

そんな人が運良くお店にいて、ファンやフォロワーから、「この人から(この人が働いているお店)から購入したい」となれば、良い塩梅じゃないでしょうか。

 

私の様に、お店に立っている立場からしたら、店員個人の力をナメンなよっていうハナシです。

 

i-Dで以前紹介されていたショップ店員の方達が良い例えだと思います。

ジャパニーズファッションの未来をつくる7人のショップ店員」参照

この方達はショップ店員だけではなく、DJ等の副業、SNSでのセルフマーケティング等、多岐に渡る活動をしており、個人にフォロワーがついております。

そして雇っている店からすると、彼らのフォロワー全てがお店のお客さんに成りえます。

 

そんな店員がいたら、ぜひ良い給料を払って下さい。彼らの代わりを見つけるのは、かなり大変です。

[お金のハナシ]日本とアメリカでこんなに違う販売員の価値観と待遇の差」参照

以前の記事にも書きましたが、日本は余りにも、ショップ店員の立場が低いので、そこも変えていかないといけないと思います。

 


以上で説明した3つに共通するのは個人の影響力の増加です。

 

企業が考えた販売促進するマーケティングは、気をつけないと消費者の目にも止まりません。

視界には入ってくるかもしれませんが、0.1秒くらいでスクロールされます。

 

You Tuberや、Instagramのインフルエンサーが増加して、個人のビジネスとして成立する時代です。

未来を予想する記事「個人の時代」突入で「一億総芸能人」の世界へ」参照

個人の力をナメんなよ!っと述べましたが、逆をいうと、会社に入っても、個人力が無けりゃ、会社が無くなったら、カラッポになるぞっていうハナシでもあります。

なんなら、今から個人力を養って、早いとこドン臭い会社に見切りをつけて、新たなスタートを切ってもいいわけです。

 

少し話が逸れましたが、シェアハウス、UBER、CITI BIKE(アメリカ)等、気軽にシェアすることが主流になりつつあり、苦労している不動産業界や車業界がある中で、

まだシェアする形態が一般化していないファッション業界は、まだ完全にオワコンではないと思います。

しかし、何もしなかったら、その内終わるでしょうね。

 

いや、でも結局終わるかもしれませんね。従来のファッション業界は。

シェアするファッションなんて、私からしたら最高ですけどね。

自分と趣味のあうメンバー沢山集めて、倉庫借りて、そこで、着たい服を週ごとや月ごとでレンタルするなんて、自由で楽しそうじゃないですか。

自分の為だけの服を買わなくていいわけですし。

 

珍しく長々と書いてしまいましたが、

結構広くてボンヤリした話題で、私と違う立場の人達は全然違うと思いますので、

この記事を読んでくれた他の人達の意見も是非お聞きしてみたいです。

果たしてファッションはオワコンでしょうか?

 

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