2009年よりNY在住で、共にファッション業界に身を置くロン毛(Wataru Shimosato)と坊主(Ryo Miyamoto)が綴るブログです。

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ゲストエディター

NYでストリートスナップを撮り続けてきた私から見たファッションの変化【前編】

NYでストリートスナップを撮り続けてきた私から見たファッションの変化【前編】

 

 

 

今日の一枚

撮影者 : ロン毛

“ファッション関連ということで。 ”

カメラ本体 : Nikon D3S / レンズ : Nikkor 50mm F1.4

焦点距離 : 50mm / 絞り値 : F1.4 / ISO感度 : 1000 / シャッタースピード : 640秒


 

私はストリートスナップをニューヨークで撮り続けて5年ほどになるのですが、ここ数シーズンで人々の着る服が良い意味でも悪い意味でも変わってきているなと感じています。

 

ファッションは自分が好きなものを着ればいいという前提があるので、良いも悪いもないと言われればそれまでですが、今回は私の視点で見るファッションの変化を書いてみようと思います。

まず一つの大きな変化として人々が本質を求めるようになってきたのかなという点。

これはファッションからの変化というよりも、ライフスタイルの延長としてファッションも変化したという方がしっくりくるかもしれません。

 

大量消費全盛期のこの時代に、「私たちはもうそんなにモノは必要ない」「本当に好きなものに囲まれて丁寧な暮らしをしたい」「食べ物も化学調味料満点のファストフードではなくオーガニックで自然に寄り添ったものを取り入れたい」というような考え方が広がり始めていますが、これは単なる一時の流行に留まらず、これからも更に加速していく思考だと思います。

その一部としてファッション、衣類に関しても大量に作られワンシーズンしか着られないような質の悪い安価なものよりも、少し値段が張ろうとも好きなもので長く着られる丁寧なモノを選びたい、という流れが見られ始めています。

ライフスタイルからファッションを考えるという流れについてはまた別の視点で以前書いた記事にも書いてありますので、そちらも合わせてご覧いただけたら。

→ ファッション中心のライフスタイルからライフスタイルの一部としてのファッションへ?

 

ファッションオタクのような服好きの人たちの間だけではなく、もうすこし広い人たちの間で、自分の背丈に合う範囲で良質なものを選んで着ている人たちが増えてきた、この流れは私は良い変化だと捉えています。

 

衣類に限ったことではないですが、安いものには安い理由があるわけです。

発展途上国でファストファッションの衣類が作られ、時給も数十円程度で劣悪な環境下で長期間労働を強いられている人たちがいるのをご存知の方も多いのではないでしょうか。

2013年にはバングラディシュの古く耐久性もないような縫製工場が、おびただしい数のミシン稼働の振動によって崩壊し、千人以上の労働者が死亡したニュースはSNSでも瞬く間に拡散されたのは記憶に新しいところです。

その他にも染色や洗浄などの過程に出る、誰がどう見ても人体に良くないことがわかる化学薬品が工場から垂れ流され周りの自然を汚染し、周辺の住人にも健康被害が相次いでいる現実。

バングラディッシュ ファストファッション 縫製工場 事故
バングラディッシュ 縫製工場 汚染

 

メーカーが安いものを売ることが出来るということは、見えないところでその負担を請け負っている人々がいるということであり、その消費者になるということは無意識のうちに彼らに負担を負わせている、ということにも繋がっていくんですよね。

正直な話、自分たちから数千キロも遠く離れた他の国の人たちを想い、それを良しとしないためにファストファッションを買わないことにした、という意識の人が増えたということはほとんどないでしょう。

人間はもっと自分本意な生き物なので、単純に自分が丁寧なライフスタイルをしたい思いから、結果としてファストファッションを買わなくなる人が増えてきた、そして生産工程の現状を知りショックを受け、更に購買意欲が減少する人が少しずつ出てきている、というのが実際のところかなとは思います。

とはいえ、ファストファッションを買わずにモノに対して適切な金額を払って買い物をするということは、他の人に負わせていた負担を自分が責任を持って負担するということにも、製造工程にもリスペクトを払うということにも無意識的に繋がっていくもののはずです。

何度も言うようにこのような現状はファッションに限ったことではありませんが、ファストファッションの裏側についてはファッションの興味の有無に関わらず知っていてもらいたいですね。

 

私自身、ファストファッションでは日本が世界に誇るユニクロでは下着類を購入し利用することがあります。

そして今後もファストファッションが衰退しようとも消滅することはないでしょうし、全てが悪いわけではありません、発展途上国の人々も職が必要ですから。

ただ、今のこの自分の丁寧なライフスタイルを重視する考え方が更に広がっていくと、今後のファストファッションはもしかすると現在のような劣悪な職場環境が改善されていく可能性はあるかもしれませんね。

 

 

今回は世間一般のファッションについての変化をお届けしましたが、次回は【後編】としてもう少し目に見えるファッションの変化について考察しています。

今回の記事がファッションが好きな人もそうでない人もお読みいただけるような内容と言えるとしたら、後編ではもっとファッションが好きな人たちに向けたコアな内容になっていますので、服が好きな人は引き続きそちらもどうぞ。

NYでストリートスナップを撮り続けてきた私から見たファッションの変化【後編】

NYでストリートスナップを撮り続けてきた私から見たファッションの変化【後編】

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