2009年よりNY在住で、共にファッション業界に身を置くロン毛(Wataru Shimosato)と坊主(Ryo Miyamoto)が綴るブログです。

海外生活を通して培ってきた考え方、仕事論、ファッションネタ、NY観光情報など雑多に更新中。

ブルックリンでオンラインブティックNo.648を運営しています。


ゲストエディター

5年間ストリートスナップを撮り続けている私が思う近年のスナップ事情

5年間ストリートスナップを撮り続けている私が思う近年のスナップ事情

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今日の一枚

撮影者 : ロン毛

“NYFW中に撮影したメンズファッション界のボス、Nick Wooster氏 ”

カメラ本体 : Nikon D3S / 使用レンズ : SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM

焦点距離 : 85mm / 絞り値 : F1.8 / ISO感度 : 125 / シャッタースピード : 1/4000秒


 

2月、ニューヨークではファッションウィークという 

半年に一度のファッションの祭典がありました。 

メンズ、ウィメンズとも各ブランドが最新の2016年秋冬のコレクションを披露する場です。 

 

この半年に一度のファッションウィークというのは、私たちのようにストリートスナップを生業にしている人間からすると 一年に二度の大事な時期です。 

 

私たち、ストリートスナップを撮るフォトグラファーは、ファッションウィーク中は各ブランドのショー会場を回り、 ショーに参加するメディア関係者、バイヤー、顧客やセレブ 、モデルなどなど、来場者や関係者をスナップするのが仕事です。

 

今ではストリートスナップは写真の一つの ジャンルとして確立されているようなほどに、雑誌やウェブメディアではこぞってスナップを掲載していますよね。

私がスナップを始めた5年前にはまだほとんど誰もストリートスナップを撮っているフォトグラファーはいなかったのですが、今ではショー会場には数十から百人程度のフォトグラファーが集まって、それはもう戦場さながらの光景となっています。 

 

理由は簡単で、カメラを持って、ブログやインスタグラムなどのような写真を投稿するプラットフォームを持てば、個人でも簡単にスナップを始められるからです。 

現に、毎シーズン毎シーズン、今までいなかった新顔のフォトグラファーが出てきては消えていきます。 

 

ストリートスナップって、本当に誰でもとても簡単に始められる時代なんです、今は。 

ただ、それを続けられる人は本当に一握り。 

モデルやオシャレな人を追いかけて写真に収めるストリートスナップは一見華やかそうに見えますが、いかんせん、思っている以上にこれってタフな仕事なのです。こればかりは実際にやってみないことにはなかなか伝わらないことなのかもしれませんが。

 

ファッションウィーク中に限って言えば冬はマイナス15度以下の大雪の中、夏は40度の炎天下、1日写真を撮り続ける訳で、ぶっちゃけめちゃくちゃ過酷です。そしてショーが終われば毎日数千枚の写真を選別、編集しクライアントに送るなんてことを、ファッションウィーク中は毎日続けるわけです。

今シーズンも最低気温マイナス16度、体感気温マイナス23度の日がありました。

私はニューヨークだけなので1週間程度ですが、ニューヨークの後にロンドン、ミラノ、パリと1ヶ月間かけてファッションウィークマラソンを撮影し続けるフォトグラファーは本当に尊敬しかありません。

それこそ、本当に好きでないと続かない、続けられない。 

だからこそ毎シーズン出てくる新顔の多くは、次のシーズンにはいなくなっている事が多いです。 

 

 

そしてファッションウィーク中にフォトグラファーがこれだけいるとどうなるか。

もうほとんど誰が写真を撮ってもほぼ同じなんです。

同じカメラ、同じレンズを使い、同じ会場で同じ有名人を同じ瞬間に何十人もが撮っていることを想像していただけたら分かるかと思います。

 

あとは誰がどれだけ大きな媒体に写真を掲載しているか、どれだけ早くインスタグラムに写真を投稿するかどうか。 

多くの写真はそれだけの違いになってきているように思います。

だからこそ同じ写真を撮るのであれば、新人の写真は使われにくく、やはり有名なフォトグラファーの写真が使われていくようになります。

もはやストリートスナップのフォトグラファーは飽和状態にあると言っても過言ではないかもしれませんね。

 

それでも、NYFWに毎回参上しているフォトグラファーにおいては、その中でも数人他の人とは違うことをしている人もいます。 

そういう人がストリートスナップフォトグラファーとして名を馳せている人たちで、同じ場所で同じ人を撮っていても他のフォトグラファーとは違う。

着眼点や撮り方、被写体選びや写真にも明確に拘りがあるからこそ 、見ていて面白いんですね。

 

Adam Katz Sinding : Le21eme

Koo Youngjun : I AM KOO

Tommy Ton : Tommy Ton

Keisuke Fujita : ストリート編集室(STREET. TUNE. FRUITS, .RUBY)

Shimpei Mito : Mitograph

この5人は私からすると別格です。

ファッションが好きな方、スナップが好きな方、彼らのことをご存じない方は是非チェックしてみてください。

 

彼らは既に有名なので、ファッションが好きな方はご存知の方も多いかと思いますが、それぞれ写真にも、被写体選びにも色があるんですよ。

だから他のフォトグラファーと同じことをしていても違う写真になる。 

彼ら以外のフォトグラファーの行動を見ていればわかりますが、上記の彼らが撮る被写体を撮るんですね。

どういうことかというと、彼らが撮っているのを見て「あ、この人は重要な人なんだ」と認識して真似して撮る、という人がほとんどなのです。

でも上記5人は、明確に自分の撮りたい被写体や撮りたい瞬間のビジョンを持っている、だから他の人が同じ被写体を撮ろうとも彼らの写真は面白いし、他の人が撮っているからといって自分の欲しい被写体でなければ見向きもしない。

 

 

そんな現状を見ていると、百人のフォトグラファーと同じことをして、同じ機材を使って同じ場所で同じ人を撮るって、やる意味がない気がしてしまうんですよね、私個人的には。

かく言う私も自分がスナップをする身なので、もちろん色々考えながらスナップしているのですが、最近はファッションウィークのスナップはみんな同じで正直面白くなくなってきているなぁと思ったり、転換期なのかな、なんて思いながらスナップについて考える日々です。

私は私で彼らとはまたちょっと違う視点でスナップをしています。

2010年の12月、ストリートスナップブログブログ An Unknown Quantityを設立しました。
5年弱ほどかけて500番目のブログ記事を書き終えた頃には、興味の矛先は「ファッション」よりも「スタイル」に向いていました。

今は「スタイル」の根源である、「ヒト」そのものが好きで、これから私のカメラを通して私の好きなヒトタチと何か楽しいことをして生きていきたい、
そんな想いで、500番目の記事の区切りでウェブサイトをリニューアルしました。
— anunknownquantity.com

上記は私のスナップブログの自己紹介ページからの抜粋ですが、私のスナップは上記のような意識で撮っています。

好きな方はきっとツボにはまると思いますが、そうでない人にはつまらなく感じるような、好き嫌いが分かれそうなスナップになってます。私はそういうやり方で自分のスナップを突き詰めていけたらと思っているので、不定期で更新頻度も極端に少ないブログですがお好きな方は是非これからもよろしくお願いします。→ An Unknown Quantity

 

 

さて、そんなストリートスナップですが、私と坊主、二人ともストリートスナップを撮って仕事をしているということで、音声でもそのことについてちょっと裏話的なことを話しています。 

30分弱ほどで、内容は雑誌などで見かけるスナップはどんな風に撮られているか、フォトグラファーが撮りたいと思う被写体はどんな人なのかなんてことについて話しています。

興味のあるかたは是非、通勤や通学途中にラジオ感覚でお楽しみいただけたらと。

※こちらは120円の有料音声になっており冒頭30秒までが視聴できます。 

 

他にもファッションネタやプライベートのこと、海外についてなどの有料音声を15個セットにして600円で販売しておりますので、興味のある方は合わせてチェックしてみてください。

ロン毛と坊主のニューヨークこぼれ話 Vol.1

 

ストリートスナップを始めて5年、今後もスナップは続けていきますが、ファッションウィークは改めて自分のスタイルを見直すいい機会なのであります、というお話でした。

 

 

ファッションのことは他にも書いていますので合わせて是非。

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