2009年よりNY在住で、共にファッション業界に身を置くロン毛(Wataru Shimosato)と坊主(Ryo Miyamoto)が綴るブログです。

海外生活を通して培ってきた考え方、仕事論、ファッションネタ、NY観光情報など雑多に更新中。

ブルックリンでオンラインブティックNo.648を運営しています。


ゲストエディター

何でも平均的にこなすオールラウンダーと分野に特化した専門家

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ロン毛と坊主とにゅーヨーク オールラウンダー 専門家

先日、

私のストリートスナップフォトグラファーとしてのキャリアの中では

おそらく今まででも一番大きなお仕事である

某ブランドのカタログの撮影のオファーを受けました。

 

撮影自体は1ヶ月ほど前に終了し

実際に出来上がったカタログを手にして

その想像していた以上のカッコイイ出来に感無量で、、、、

 

 

 

という出来事が最近あったのですが

この話にはちょっとした裏話がありました。

 

 

 

遡ること数ヶ月、

一件のメールが届きました。

「某ブランドのカタログの撮影をNYで予定しており

フォトグラファーとしてお仕事を依頼したい。

写真はストリートスナップのような雰囲気で、、、」

という今回の撮影の依頼メールでした。

 

私はもちろんそのブランドのことも存じ上げていましたし

まさか自分がそのような撮影を依頼されるとは思っていなかったので

とてもびっくりしながら

その依頼を快諾させていただきました。

 

「詳細はまた後日連絡いたします。」

 

その時のメールのやり取りはそこで一旦おわり

私は詳細を待ちました。

 

 

10日程経ったでしょうか、

別の会社の方から1通のメールが届きました。

「某ブランドのカタログの撮影をNYで予定しており

フォトグラファーとしてお仕事を依頼したい。

写真はストリートスナップのような雰囲気で、、、」

 

以前頂いたメールと内容が酷似していて

私は混乱しながら返信をしました。

「ご依頼いただきありがたいのですが、

先日ほかの会社の方から同様の依頼があったのですが

そちらの撮影とは別件のお話でしょうか?」

 

 

その方からすぐにお返事をいただけました。

「混乱させてしまいすみません。

ブランド側が別の2つのカタログ制作会社に企画の提出を依頼したところ

偶然にも両方の会社がフォトグラファーとして下里さま(私)を指定し

撮影のオファーメールを送らせていただいた

という状況になっております。」

というような内容でした。

 

 

 

結局その後、

後からメールを送ってきてくださった会社さまを通して

カタログ撮影の仕事をさせていただけることになったのですが、

今回のこのやりとりから感じることが多くありました。

 

 

 

まず、

私はフォトグラファーでありますが

ストリートスナップ専門のフォトグラファーであります。

 

カメラとレンズを持っているし

写真の撮り方、カメラの扱い方も知っているので

撮ろうと思えば何でも撮ることはできます。

でもそれは撮ることができるだけであって、

仕事としていい写真を撮ることとは違います。

専門に毎日撮り続けているストリートスナップに関して言うと

私はほかのフォトグラファーさんよりも良いスナップを提供する絶対的な自信があります。

なぜなら私はそれを専門でやっているからです。

 

 

なので私は自分の自己紹介などで仕事のことなどを話す時には常に

「フォトグラファーですがストリートスナップを専門で撮っていて

基本的にスタジオでは撮らず

屋外でナチュラルライティングの元でしか撮りません。」

ということを話していました。

 

 

仮に私が、

「フォトグラファーです、何でも撮れます」

と自己紹介したとすれば

「ロン毛=フォトグラファー」

というふうに覚えていただけるかもしれません。

 

 

一見すると「何でも撮れるフォトグラファー」の方が

仕事依頼なんかを含めたチャンスが多くあるように感じますが

私はそうは思っていません。

 

なぜなら、

世界中にフォトグラファーは星の数ほどいるからです。

その中で「なんでも撮れるフォトグラファー」というジャンルに自分が入っているとすれば

世の中に沢山いる何でも撮れるフォトグラファーさんの中から自分を選んでもらえる可能性はかなり低くなるのは当然の流れです。

 

 

逆に「ストリートスナップ専門のフォトグラファー」として人々に覚えてもらえると

もちろん基本的にはスナップ関連の仕事しか来ませんが

「スナップ=ロン毛」というふうにパッと名前が上がるのだと思います。

 

例えば今回を例にしてみみると

「NYでスナップ風にカタログ撮影をしたい。」という企画で

「NY 日本人 フォトグラファー」というキーワードで人を探せば

それこそ多くのフォトグラファーがいて私に辿り着く可能性は低いですが

 

「NY 日本人 ストリートスナップ専門フォトグラファー」というキーワードで考えた際、

おそらく私は候補に上がる最初の2、3人のうちには入るはずです。

実際にそれを他の撮影の片手間ではなく

専門としてNYでやっている日本人はほとんどいないのもありますが。

 

 

 

 

私は平均してどのジャンルでも"7"くらいにこなせるフォトグラファーになるのではなく

あえて他のジャンルを"1"にしてスナップというジャンルひとつだけを"10"とする道を選びました。

 

フォトグラファーとしてのキャリアは

2010年末からストリートスナップを撮り始め

今まで5年弱それを専門に続けてきました。

 

専門家としてやっていくにはおそらく結構な勇気がいるかもしれません。

一つのことしか出来ない、と思われたり

私のように自分のことを認知してもらうまで時間がかかったりもすると思います。

 

それでも私は

オールラウンダーではなく専門家になる

ということがどの職業においても重要なのではないかと信じています。

 

 

 

 

フリーランスを志す人や

フリーランスで方向性に悩んでいる人なんかの

ちょっとした参考にでもなれば幸いです。

 

企業に属し働く坊主の意見もどうぞ。→「何でもできます」「何でもやります」と言う人ほど胡散臭いものはない

 

※フリーランスのストリートスナップフォトグラファーとしてやってきた私の個人的な考えで

他のフォトグラファーさんを否定する内容ではないことをご了承ください。

親しいヒトほど他人行儀な態度を

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